「派手な結婚式は気恥ずかしい」 「再婚だし、人を呼んでのお披露目はしなくていい」 「式にかける数百万円を、新居やハネムーンに使いたい」
近年、入籍はするけれど挙式や披露宴は行わない、いわゆる「ナシ婚」を選択するカップルが増えています。特に、自分たちの価値観をしっかりと持っている30代・40代の大人世代において、この傾向は顕著です。
しかし、式を挙げないことと、結婚の記念を残さないことはイコールではありません。 「式はなし」と決めたカップルの多くが、最終的にたどり着く答え。それが「フォトウェディング」という選択です。
今回は、ただ写真を撮るだけではない、二人の絆を確かめ合う儀式としての「大人のフォトウェディング」について、その魅力と失敗しないスタジオ選びのポイントを解説します。
「ナシ婚」は手抜き?いいえ、最も贅沢な選択です
親世代の中には「式を挙げないなんて」と難色を示す方もいるかもしれません。しかし、フォトウェディングには、一般的な結婚式では味わえないメリットがたくさんあります。
最大の魅力は、「二人のためだけに時間を使える」ことです。 披露宴では、ゲストへの挨拶や進行に追われ、新郎新婦がゆっくり会話をする時間はほとんどありません。料理を味わう余裕すらないのが現実です。
一方、フォトウェディングなら、美しいロケーションの中で、お互いの晴れ姿をじっくりと見つめ合い、プロのカメラマンと言葉を交わしながら、映画のワンシーンのような時間を過ごすことができます。 誰かに見せるための結婚式ではなく、二人の記憶に刻むための結婚式。 それは、ある意味で最も贅沢な時間の使い方と言えるのではないでしょうか。
10年後も愛せる写真を残すために。スタジオ選びの落とし穴
フォトウェディングの需要増加に伴い、格安のスタジオも増えています。「数万円で撮れます」という広告もよく見かけますが、大人のフォトウェディングにおいては、「安さ」だけで選ぶと後悔するリスクがあります。
30代・40代がスタジオ選びでこだわるべきは、以下の3点です。
-
衣裳(ドレス・和装)の質 写真では、生地の質感やカッティングの美しさが如実に表れます。 格安プランの場合、選べるドレスが数着しかなかったり、ペラペラの生地だったりすることがあります。「ランクアップしたら結局高くなった」というトラブルも多いので、事前に「基本プランで選べる衣裳のラインナップ」を確認しましょう。
-
ヘアメイクの技術力 若作りではなく、大人の女性の美しさを引き出してくれるメイク技術は必須です。ホームページのサンプル写真を見て、肌の質感やヘアアレンジが好みに合うかチェックしてください。可能であれば、事前にヘアメイクリハーサルができるスタジオを選ぶと安心です。
-
「チャペル撮影」ができるか スタジオの背景紙の前で撮るだけでなく、本物のチャペルや歴史的建造物で撮影できるプランがおすすめです。 指輪の交換やベールアップなど、実際の挙式と同じ流れを写真に収めることで、「結婚式を挙げた」という実感が湧き、けじめをつけることができます。
写真を見せることが、最高の親孝行になる
「式を挙げないと親が寂しがるかも」と心配な方は、撮影した写真をご両親にプレゼントすることをおすすめします。 立派な台紙に入った晴れ姿の写真は、親御さんにとっては何よりの宝物になります。
また、撮影当日にご両親を招待するのも素敵なアイデアです。 バージンロードを一緒に歩いたり、家族写真を撮ったりする時間は、盛大な披露宴以上に濃密な家族の時間となります。 「式は挙げないけれど、花嫁姿は見せてあげたい」 その想いは、形を変えてもしっかりと伝わります。
二人らしい「誓いの形」を残そう
結婚式に決まったルールはありません。 数百人のゲストを呼ぶのが正解でもなければ、二人だけで写真を撮るのが手抜きなわけでもありません。
大切なのは、二人が「夫婦になった」という喜びを共有し、これからの人生を歩んでいく決意を固めることです。
Aimée Vibert(エメ・ヴィベール)という名前のバラの花言葉は「純潔」や「愛」。 ドメイン名の由来となったそのバラのように、形式にとらわれず、純粋にお互いを想い合う気持ちを、美しい写真という形で残してみてはいかがでしょうか。 その一枚は、きっと何十年先も、二人の原点として色褪せずに輝き続けるはずです。


コメント