手軽に多くの人と出会えるマッチングアプリは、現代の婚活において欠かせないツールとなりました。しかし、その手軽さの裏には、真剣にパートナーを探している人の心を踏みにじる「悪意あるユーザー」が潜んでいることも事実です。
特に、結婚への焦りや孤独感を感じやすい30代・40代は、甘い言葉や好条件のプロフィールに心を許してしまい、ターゲットにされやすい傾向にあります。
「まさか自分が騙されるはずがない」 被害に遭った方の多くは、そう口にします。 今回は、アプリ婚活に潜む2大リスクである「投資・ロマンス詐欺」と「既婚者(ヤリモク)」の典型的な手口と、相手を見極めるための防衛術について解説します。
1. 心と資産を奪う「投資・ロマンス詐欺」の特徴
近年、急増しているのが、恋愛感情を利用して金銭を騙し取る「国際ロマンス詐欺」や「投資詐欺」です。彼らは時間をかけて信頼関係を築き、最終的に資産を奪います。
以下の特徴に当てはまる場合、相手は99%詐欺師(業者)です。
写真が異常にハイスペック: モデル並みの美男美女、高級車、海外リゾート、ブランド品の写真をプロフィールやサブ写真に設定しています。これらはネット上の画像を無断転載しているケースがほとんどです。
すぐにアプリ外へ誘導する: マッチングして数通で「アプリは使いにくいからLINEに変えよう」と提案してきます。これは、アプリ側の監視(強制退会)から逃れるためです。
「二人の将来」のために投資を勧める: 「結婚資金を貯めよう」「君のために資産運用を教えたい」と、仮想通貨やFXの話を持ちかけます。最初は少額で利益が出たように見せかけ(画面上の数字だけ)、信用させてから数百万円を入金させ、最後は連絡が取れなくなります。
対策: 相手の写真をGoogle画像検索にかけてみてください。全くの別人のSNSや素材サイトがヒットすることがあります。また、「お金」や「投資」の話が出た時点で即ブロックが鉄則です。
2. 時間と尊厳を奪う「既婚者・遊び目的」の特徴
詐欺と同じくらい厄介なのが、身分を独身と偽って登録している既婚者です。彼らは金銭ではなく、あなたの「貴重な婚活の時間」と「心」を奪います。
彼らの行動パターンには、家庭があるがゆえの不自然な制限があります。
土日やイベント日に会えない: 「仕事が忙しい」という理由で、平日の夜しか会おうとしません。クリスマスや年末年始、土日の日中に連絡が取れにくくなるのは、家族と過ごしているからです。
自宅を教えない・電話に出ない: どれだけ仲良くなっても家に入れてくれません。また、夜に電話をかけても出ない、あるいは折り返しが翌日の昼間になる場合、家で電話ができない事情(配偶者の存在)があると考えられます。
プライベートを隠す: 会社名や詳細な居住地を言いたがりません。SNSも教えてくれない場合、身バレを極端に恐れています。
対策: 「今度の土曜日、一日デートしてみたい」と提案してみてください。頑なに拒むようであれば、どれだけ条件が良くても深入りするのは危険です。
3. 相手の本性を暴く「3つのカマかけ質問」
相手が誠実な独身者なのか、それとも何かを隠しているのか。違和感を感じた時に使える、相手の反応を見るための質問テクニックがあります。
質問1:「もっと仲良くなりたいから、ビデオ通話しない?」 詐欺師は顔や背景を見られるのを嫌がりますし、既婚者は家で通話ができません。理由をつけて頑なに拒否するなら、クロの可能性が高いです。
質問2:「名刺交換か、Facebook交換しようよ」 社会人としての身元を明かせるかどうかを確認します。「やっていない」「忘れた」とはぐらかし続けるなら、あなたに身元を知られたくないやましい理由があります。
質問3:「独身証明書って知ってる?」 「結婚相談所だと独身証明書が必要らしいんだけど、アプリだと分からないから不安だよね」と話題を振ってみてください。 やましい人はこの話題を嫌がります。逆に誠実な人なら「確かにそうだね、必要なら戸籍謄本でも見せるよ」と安心させようとしてくれるはずです。
「自分の身は自分で守る」のがアプリの鉄則
マッチングアプリは、手軽で安価な反面、身元の保証レベルは「自己申告」に過ぎません。運営側もパトロールを強化していますが、すべての悪質ユーザーを排除するのは不可能です。
「おかしいな」という直感は、だいたい当たります。 少しでも違和感を感じたら、相手に遠慮せず撤退してください。
もし、どうしても不安を拭えない、あるいは騙されるのが怖いと感じるなら、公的書類(独身証明書)の提出が義務付けられている「結婚相談所」などのサービスを利用するのも、賢い選択肢の一つです。
安全は、幸せな結婚への最低条件です。 一時の感情に流されず、冷静な目で相手を見極める強さを持ってください。


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